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2025.09.06

2025年夏の新刊制作(という名の耐久テスト)のこと

備忘録として書き残す次第。
たぶん私以外の人の役には立ちませんが……。

◆本のスペック
P数:本文36P(表紙こみ全40P)
   うち漫画部分35P、事務ページ1P(あとがき等)
印刷:自家出力
   (表紙:インクジェット/本文:モノクロレーザープリンタ)
仕上げ:ホチキス中とじ、長辺のみ化粧断ち

今回は、2015年に制作したフルカラースクロール漫画をもとに、続きを作りました。とはいえ既存データは冒頭のみ、紙本にして7P程度ですが。話の展開についてはまるっと変えたので、元のプロットはあってないようなものでしたが。一応、ゼロからのスタートではなく、多少の助走がついた状態から始めた感じ。

さて、実際の進行がどうだったか。作業ファイルのタイムスタンプによると、

・7/29:名古屋コミティア当落発表
・7/29:セリフ出し用のメモ作成(iCloudメモ)
・8/10:表紙ファイル作成(クリスタ)
・8/13:本文原稿ファイル作成(クリスタ)
・8/21:表紙印刷用ファイル作成
・8/23:本文印刷用PDF作成

——となっています。
今回は本文よりも先に表紙やってますね。余裕がないことが分かっていたので、話の流れが決まった段階で表紙に着手しました。割と珍しい。
また、普段は下書きまで紙でやってスキャン→ペン入れなんですけど、やはり余裕がないことが分かっていたので、下書きからPC上でやってます。これも珍しい。

で……。日付見ると、本文原稿ファイル作成(下書き開始)から、印刷用のPDFを出力するまで、足かけ11日なんですよね。確か、本文に着手して数日は冒頭部分を編集する(フルカラー縦スクロールから紙本モノクロ見開きへの変更)作業をしていたので、本文の残りを描くのに一週間かそこら。フルカラーで作画してあったのは紙本で7P分になりましたが、うち2ページ分くらいは結局描き直してるので、使い回せたのは実質5P。漫画部分35Pのうち30Pはまるごと描き下ろしていることになります。

つまり、一週間か10日で30P。……いや、おかしくない?
まあ、ちょうどお盆休みで、可処分時間の全てを原稿に注ぎ、かつ色々アレな感じになるくらい睡眠も削りましたがね……。
下の画像は、進行予定をメモっていたもの。いつ書いたものかは不明。14日から始まってるから、13日かな……? いずれにしろ、取らぬ狸の皮算用。

Img_4131

制作中、↑のようなメモを作ってスケジュール管理するんですけど、この通りにいった試しはありません。だいたい下書きに詰まった段階でペン入れに逃げたり、ペン入れから逃げて仕上げしたり、なので「○日〜○日までペン入れ」というのはあくまで「最終的に何日みておけばいいか」を計算する目安に過ぎないんですよね。まあ、残りの作業量から逆算して何日かかるか、の目算です。

因みに、ふだんの制作だと、いわゆるネームがきちんとできている状態から、下書き〜完成までは一日あたり2ページのペースです。調子がよい時でそれくらい。
今回、10日で30ページ描いたとすると、当社比1.5倍の超特急制作だったことになります。いやはや。そりゃあ、脱稿後も10日くらい調子が狂いっぱなしだったはずです。(神経が高ぶりすぎて眠れなくなるんですよ……そして鎮まらない……)

これだけ自分を追い詰めたのは何年ぶりかという感じで。DWシリーズの最後のほう描いてるとき以来じゃないかしら。それか、ひょっとしたら学生時代かもしれない。(当時と今とでは経験値が違うので、今ならスイスイできることでも四苦八苦&試行錯誤だったというのもある。若い頃は軽率に睡眠を削ってたしな……それで能率が落ちているとも気づかず……)

——ともあれ、久々にギリギリを極めた制作で、普段よりも多めに経験値が入った気がします。もちろん百点満点の出来ではないんだけど、至らない点・悪い癖がはっきり見えたという点で学びが多い。人は失敗からしか学ばない生き物なので……。

というわけで今回の学び、まとめ

1、PCで下絵をやるなら、鉛筆系ではなく太めのペン(筆圧なし)で、アタリ程度に。
 これは私がふだんラクガキでやっている、黄色の蛍光ペンでアタリとったあと、サインペンで一発書きする手法に似せたもの。
 利点は「とにかく早い」です。
 PCならペン入れの線も修正し放題なので、キッチリ下書きを入れなくても描けるものは、アタリの状態から一発でペン入れすれば時短になります。ただし、ちょっと難しいものは相応にしっかり下書きする必要はあります。ここは自分の画力と相談。
 因みに、(今回に限った話ではないのですが)下書きをしてる時は、消しゴムとか消去系のツールはあんまり使いません。描き直したいところは「ぼかしツール」でぼやかして、その上から描く。書き損じを完全に消すより、ぼかしてなんとなく残しておくとそれがガイドになるので、描き直しも早くなります。この繰り返しで線が見にくくなったら、描画色を透明にして「白で線を描く」。これも早くできる方法。

2、下絵のスピードは紙よりPCのが上、しかし全体把握がしにくい&構図が浮かびにくいという弱点もある。
 紙の上のほうが、作業としてはだんぜん楽しいのです。この「手作業の楽しさ」が構図や演出の妙を無意識下から引き出してくるのもあり、余裕があるなら紙のほうがいいんだよなー、という感じ。というか、PCで下絵をやるのは(私にとっては)離れ業の一種なので、迷いの少ない時にしかできません。手探りで描いてるときには無理。
 今回は短編で着地地点が決まっており、キャラは久しぶりとはいえ古参の人達、かつ適当に設定を忘れていて今の自分のノリで演技をつけても違和感がない(整合性の問題が出ない)という条件が揃っていたからできたことですね。多分。——だから、長編(CxCとか)を描くときには、やっぱり紙で下書きすることになると思います。

3、表紙を先にやっておくと気が楽。
 以前、友達にそういうアドバイスを頂いていたんですよね。しかしいつもの長編だと、表紙に本文原稿の一部をコラージュする形式だから本文が仕上がるまで表紙ができず。今回ようやく試すことができました。
 ——結果、確かに良いです。特に自家出力だとプリンターの機嫌を取る時間が必要なので。(インクジェットプリンタをたまにしか使わないため、いざ使おうとすると必ずインクづまりしており、解消するのにまあまあ時間がかかるのです)

4、「3ページ/日」は、できる。できるが……。
 ほとんど人物に影がつかなかったのと、背景も白いコマが多く、作画の面でなにかと不本意な仕上がりとなってしまったので極力避けるべき。このペースは限界を超えている。後から見直したらあまりにあまりな出来だったんで、イベント終わってから原稿の修正してるくらい……。(刷り直すたびに微修正されるうちの自家出力本)
あと、印刷品質をチェックしたあと調整する余裕がなかったので、線が細くて消えかかってるところがちょいちょい。これも早く取りかかっていれば回避できたミスなので、今後こういう無理なペースでの作画はしないようにしたいです。はい。

5、最後のほう(クライマックス〜エンディング)は全ての工程で他シーンの倍は時間をかけるつもりでスケジューリングすべき。なんならP数も目算の倍かかる
 私の悪い癖でして、最後のほう端折っちゃうんですよ……。エンディングが一番難しいので、時間かけるべきなんです。が、そのあたりを描くときには時間がなくなっているので必要なコストをかけられない。これは、スケジューリングの段階で「〆切を、1〜2週間前倒しで設定する」しかないと思いました。とりあえず、今回みたいな進行じゃ無理。次に読み切りやる時には、これを意識してスケジュールを組みたいですね。長編の続きをやってるときは、またちょっと違うので。

6、本が出したいなら、SNSを見るな。
 よくいわれる「ツイッターを閉じろ」です。私自身、SNSをやるようになってから制作ペースが落ちているのは自覚があって。今回は(制作とは関係ないんですが)しばらくネットを離れておいた方がよさげな事情もあったので、意識的にネット落ちをしました。まあ、そうでなければ本は出なかったと思います。碌でもない情報で時間を溶かすの勿体ないですからね。制作中はできるだけ見ないようにして、ついでにデジタルデトックスするべき。光る画面を見ないようにすると睡眠の質が上がりますよ。これは本当。

——と、長々と書き連ねてしまいましたが、こんなところで。

とりあえず、次回はもうちょっと余裕のある日程で制作にあたりたいです。
さしあたって、CxCの続きをやらないとなぁ……。

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